事前にテストを実施しましょう
さて、テストはいかがでしたでしょうか。
このテストに全く正解できなかった方、ご安心ください。
このblogでご説明したいことをテストにしてありますので、これから読んでいただき、最後に回答できるようになっていただければ結構です。
このテストをすべて正解できた方、素晴らしいです。
このblogではすべてご存じのことを取り上げておりますので、復習などにお使いください。
研修を実施するにあたり、その研修では「何が身につくのか」を明示することは非常に大切なことです。
1つには受講者が研修の必要性を確認し、選択できるようにするため。
もう一つは目標を明確にすることは、研修に対する意欲を高めることができるためです。
修了テストと同じ問題を研修の冒頭で提示するというのは、その研修で「何が身につくのか」を端的に伝えることができる、効果的な方法なのです。
もう一つ事前にテストを実施することには意味があります。
それはその研修を受ける条件を満たしているかということです。
今回は初めてインストラクショナルデザインに触れる方を想定しているため、事前知識の確認を行いませんでしたが、階層的な研修を計画されている場合には研修を受講するための前提条件を確認するテストも併せて実施すると効果的です。
そのようにすることで、研修の責任範囲をより明確にすることができますし、受講者も本当に必要な方だけにご提供できるようになります。
ここで申し上げたいのは、研修とは本来「あるレベルにいる方を目標のレベルに引き上げる」ために実施されるべきものであるということです。
全体研修のような受講者を限定しない研修の場合、研修後の受講者の効果は測定できますが、それが研修の成果であるのか、もともと受講者の持っていたスキルであるかが判然としないため、研修のブラッシュアップが難しくなります。
つまり研修を継続的に改善していくためには、スタートの状態とゴールの状態をしっかり測定しておき、そのスタートとゴールの間のことを受け持つことを定義しておく必要があるのです。
もう一つ大切なことは「あるレベル」に到達していない方は勿論、「目標のレベル」に到達している方も研修を受講される必要性はないということです。
受講者側にとっても、話が高度すぎてちんぷんかんぷんなのも退屈ですが、既に知っていることを再度教えられるということも苦痛なものです。
このようにモチベーションが低下してしまった方がいると全体のモチベーションにも良い影響を与えることがないというのはご経験のことかと思います。
つまり事前のテストは「スタートラインにいるかを確認する」ものと「ゴールに到達してしまっていないかを確認する」ものの両方が必要となるのです。
次回からはこの内容について詳しくご説明させていただきます。