研修の魅力を高めるためには~ARCSモデルで考えていきましょう~

f:id:togashimotohiro:20210124144722j:plain「教室で集合研修を受けているときでも、本を読んでいるときでも、あるいはコンピュータ支援の学習においても、いかなるときにも学習者として、私にとって何が重要かを見きわめ、学習すべき事柄を選択している。受講者としては、何が教えられるかについては管理できないが、何を学ぶかについては常に自己管理している」  (Tobin,2000,All Learning is Self-directed,鈴木克明訳出、研修設計マニュアルより引用)

 

前回の内容をまとめると、冒頭の引用文のようになります。

そのため研修の目的を達成するためには、まず研修を選択してもらわなければなりませんが、研修中にも内容を学んでもらわねばならず、研修後には学んだことを実践し目的を達成してもらう必要があるのです。これらを達成することで初めて、「研修は魅力的である」ということができると思います。では、研修の魅力を高めるためにはどうすればよいのでしょうか。

ジョン・M・ケラーが提唱した「ARCSモデル」というものがあります。

注意(Attention)、関連性(Relevance)、          自信(Confidence)、満足感(Satisyaction)の4つの頭文字をとってARCSモデルと命名されており、この4つの要因に対策していくことで学習意欲はより高まっていきます。

ここで注意しておきたいのは、これらのうちどれか一つがよければいいというものではなく、これらすべてが必要になるということです。

いくら話術が面白く人気のある講師でも、内容が目的に合致しなければ意味はないですし、いくら内容が合致していても、聞いているだけで眠ってしまうような研修では効果は出ません。

研修の内容が難しすぎて理解できず、自信を失ってしまっては意味がないですし、役に立つ内容を学べた、自分が成長したという満足感がなければ、学び続けようという気にはならないものです。

どれか一つが傑出していれば他をカバーできるというわけでなく、逆にどれか一つが突出して悪ければ全体が足を引っ張られてしまいます。4要因すべてを高めていく必要があるのです。

次回以降でこれらの4要因を検討していこうと思います。