Implementation(実施)
ADDIEモデルの4番目Implementation、実施についてです。実施ではこれまでで設計し、開発した研修をいよいよ実際に実施していきます。
この実施には2種類あります。一つは研修の設計者として開発した研修を提供するという意味での実施。もう一つは実際に研修を行うという意味での実施です。
今回はまず研修の提供を成功させるための実施方法について説明していきたいと思います。研修の実施方法に関しては、次回以降説明していきます。
1.状況に応じた学習システムの開発
成績表のようなシンプルなものから、進捗状況、習熟度や今後の計画等を記載する複雑なものまでさまざまなものがあります。
2.学習者のガイダンスと支援
受講者は基本的に研修で何を学ばなければならないかであったり、そのためのスケジュールや準備は何が必要かなどを事前に考えてから参加することはほとんどありません。これらの学習に関するガイダンスを行うことによって、ドロップアウト率を下げ、学習の質を向上させることができるということがわかっています。
3.変化に備えた計画
研修の講師がより効果的に研修ができるように支援する必要があります。そのためには講師向けの資料の用に物理的なものを提供したり、講師ガイドのようなものを開発したりするなど様々な方法があります。
4.実施環境計画
研修の行われる環境を検討し、準備することも大切です。これには技術的要件、分散学習における現地サポート、実施可能な研修スケジュール、受講者のスケジュール調整などが含まれています。
例えば、オンラインでのWEB研修が盛んになってきていますが、いつでもどこでも出来るからといって業務中に研修を受けるための時間を確保しなければ、仕事が終わって家で受講することとなりやる気は出ないでしょうし、そもそも受講しないという人も出てくるでしょう。かといって業務中に隙間時間で受講していると細切れになってしまったり急な仕事が来て集中できないなどの問題があるかもしれません。このような環境を把握し整備していくことは研修目標を達成するためにも重要になるのです。
5.システムの保守
研修は完成して終わりではありません。その研修を続けていくためには保守し続けなければなりません。
保守するためには研修コースの評価とそのスケジュール、評価結果の収集と活用方法、的確さとタイムリーさについてのコースコンテンツのモニタリング手法、カリキュラムの他の要素との継続的な関連維持方法、あるいは組織の目的や学習要件と研修の関連性の維持などが必要となります。