ARCSモデルのA(注意)

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研修の目標を達成するためには、参加者にやる気になってもらわねばなりません。やる気を引き出すには、ARCSモデルに沿って考えていくのが効果的です。

では、ARCSモデルのA、注意(Attention)してもらうことについて考えていきましょう。

注意はさらに細かく分けて考えることができます。知覚的喚起、探求心喚起、変化性の3つです。

 

知覚的喚起は、その名前の通り感覚的な刺激で興味を惹く方法です。例えば、動画を見てもらうであったり、研修のポスターをカラフルにして注意を引き付けるであったり、研修に集中しやすいように環境を整えるというのも大切です。

一つ気を付けなければならないことは、研修に興味を持ってもらうのがゴールではなく、その研修の内容を学び実践することを選択してもらうのが目的であるということを忘れてはいけません。 

例えば、冒頭にアイスブレークを入れて場を和やかにするというのも一つの知覚的喚起の方法ではありますが、この時研修内容と無関係なアイスブレークであれば、逆に研修内容から参加者の注意をそらしてしまい、いざ本題に入った際に参加者の興味を失う結果になってしまいます。

 

探求心喚起は、知的好奇心を刺激する方法です。目新しいこと、不思議なことに接すると、それを深く知ろうとする知的好奇心が刺激されるといいます。問題や疑問があり、それを追求しようとする気持ちが好奇心であるというわけです。

自分の知識の中にあるギャップを認識し、そのギャップを埋めたいという欲求から、好奇心は生じるのです。

 

変化性は、マンネリを防ぐということです。同じことが続き単調だとどうしても飽きてしまい集中は途切れてしまうものです。飽きないように内容に変化を持たせるというのもそうですが、休憩を入れて気分を入れ替えてもらうというのも重要な変化です。
研修のマンネリを防ぐ方策の一つに「90-20-8の法則」というものがあります。

脳が集中をキープできるのは90分まで。記憶を保持しながら話を聞くことができるのは20分まで。受け身な状態で興味を持続できるのは10分まで。そのため8分ごとに研修に参画してもらう。という研修の時間配分に関する理論です。

すなわち、90分に1回は休憩をはさみ、20分をひとつの単位として研修を作り、20分の中で8分ごとに参加者に振り返ったり、まとめてもらったりなど参画してもらうことで、飽きにくく集中を持続させやすい変化性に富んだ研修になるのです。

 

今回はARCSモデルのA(注意)についてみてきました。次回はR(関連性)について説明したいと思います。