研修を計画していきましょう~ADDIEモデルで考えていきましょう~

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企業研修ではまず受講者にやる気になってもらうことが大切ということを説明してきました。

研修というのは目標を達成する手段であり、受講者に目的を達成してもらうことが研修の目標であるということを忘れてはいけません。

つまり受講者が目的を達成できなかった場合、受講者が悪いのではなく、研修に問題がなかったかどうかを振り返ったほうが建設的であるということです。

会社で考えてみると、目標を達成するために上司は部下に指示を出しますが、部下が上司の指示通りに行動しなかったことを部下のせいにしたら、その上司はマネジメント能力がないと判断されるでしょうし、少なくとも改善案をその上司が求められると思います。それと同様、研修でも受講者が目的に到達しなかった場合、受講者ではなく研修の実施に問題があると考えて修正していったほうが早く目標にたどり着きやすいのです。

 

さて、受講者が研修に興味を持ち、参加してくれることになったとしましょう。しかし研修の内容が適切でなければ目標を達成できません。では研修を適切な内容にするにはどのようにすればよいのでしょうか。

この問題に対して様々な研修設計モデルが存在していますが、最も基本的なモデルは5つの構成要素から成り立っており、それぞれの頭文字をとり、ADDIEモデルと呼ばれています。

それぞれ分析(Analyze)、設計(Design)、開発(Develop)、実施(Implement)、評価(Evaluate)の5つの項目であり、この順番にプロセスが進んでいきます。最後の評価はほかの4つの構成要素すべてに対し、評価し、修正を加えていくというPDCAサイクルを回していくと、より研修は進化し、最適化されていきます。

実際に研修を計画するときには全体のプロセスを必ず実施しなければならないというわけでもないということは捉えておきましょう。例えば、別な方のやっていた研修を引き継ぐ場合や研修を再設計する場合は評価から始めて、必要な項目の修正を行うだけになるでしょうし、目標はすでに決められていたりすることも多いと思います。

とはいえ、ADDIEモデルについてはまず全体を確認し、それぞれの項目の問題を解決していくことが必要となってきます。次回からはADDIEモデルの各項目についてみていきましょう。