レッスンプランニングシートを作っていきましょう


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教授カリキュラムマップを作り、1コマごとの研修内容が決まりましたら、いよいよ研修の仕様書を書いていきましょう。

研修を設計するためには、大まかに4つのステップを踏んでいきます。

1.学習成果の分類を用いて学習目標を分類する。

2.前提条件に注意しながら学習目標を系列化する。

3.全領域の学習成果に適用できる教授事象を適切に導入する。

4.学習目標が属する学習成果に特徴的な学習条件を組み込む。

既にAnalyzeで学習目標を分類し、教授カリキュラムマップで学習目標を系列化してきました。前回9つの教授事象について説明してきました。学習成果の学習条件については、Developの説明時に確認していきたいと思います。

レッスンプランニングシートを作るためには、以下の4つの要素を書く必要があります。

1.レッスンの学習目標と学習成果の種類を示す文

2.用いられるべき教授事象のリスト

3.各教授事象を達成するためのメディア、教材、活動

4.各教授事象を実現するための講師の役割や活動

プランニングシートを具体的に書くと上記の図のようになります。このシートの欠点は学習目標が一つであるということが前提になってしまうということです。

しかし実際の研修、特に継続的な長期間の研修を計画していく中では、1コマに含まれる学習目標が一つしかないということはあまり多くないでしょう。

教授カリキュラムマップをいくつかの学習目標が含まれたかたまりに分け、その一塊りごとに1コマを作ると思いますし、1コマごとに時間の制約もあると思います。目標を複数組み込んだ研修の1回を作るためには、下図のような設計書を作るとよいでしょう。

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例として伴性形質についての遺伝学についての研修の設計書を作っています。

文字が小さくわかりづらいですが、上図の左側に教授カリキュラムマップ、右側に講師が行う具体的な活動について記号を振って記しています。

下図では学習目標を縦軸に学習活動を横軸にした表を作り、横軸には目安の時間も入れてあります。そして交わるマスには教授事象の何番に当てはまるかが記載してあります。

このようにすることで、1回の研修で何をどのように学習してもらうかということが一瞥できるようになりました。1コマの研修計画はこの設計書を使えばよいと思いますし、この研修の中でも特に重要であったり難しい学習目標に関してはプランニングシートを使って詳細に分析するというように使い分けるのもよいと思います。