Implementation(実施)個別指導
実際に研修を実施する場合はどのようなことに注意していく必要があるのでしょうか。研修を受講する側の集団規模に応じてその特徴を見ていきましょう。
まずは個別指導、一人ないしは二人に対して行う場合についてみていきましょう。
個別指導は教える側、教わる側双方向にコミュニケーションが作用するのが大きな特徴となります。つまり、教わる側だけでなく教える側も学ぶことが大きいのです。そのため、受講者同士でペアを組ませて個別指導をさせる形式をとることも多いです。
個別指導を行う場合、基本的には受講者の課題(ギャップ)を確認した後にそのギャップを埋めていく形で研修を実施していく形になります。事前テストを行ったり、口頭で確認する等をして、まずは目標との乖離を確認することが大切です。
個別指導の場合、個性に合わせて柔軟に調整できるというのが最大の特徴であり、何度も試行錯誤できるというメリットがあります。教授事象にあてはめた特徴は上の図の通りになります。
柔軟性が高く、どの事象をどのように選択し、配置するかを決めることができますし、どれを受講者の自己学習に委ねるかを選択することもできます。
この自由度の高さが学習効果を高めているというわけではなく、自由度が高いがゆえに教授事象を的確に実現することができるために効果的であるといわれています。換言すると、きちんと設計されていない研修では、仮に個別指導であっても効果は望みにくいということです。
社会人の個別指導の場合では自己学習が基本となり、適時フィードバックと評価を加えることと学習の保持の促進及び他の状況への転移を示唆することに限定されるケースが多いですが、本質的には教授事象の9事象すべてのステップを実施している必要があります。